音声コンテンツのプロフェッショナルがゼロから作り上げる、“Voicyオリジナルブランド”にかける想い

今回は、音響監督の白井にインタビューしました。 Voicyとの出会いや、仕事への向き合い方などを語ってくれています。

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Voicy上のチャンネルでは、白井のインタビュー音声を公開しています。 ぜひ彼の人柄を感じながら、Voicyのことを知ってみてください!
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白井太郎(Taro Shirai) /音響監督・コンテンツプロデューサー 大学で映画制作を学んだのち、新卒でクリエイティブエージェンシーに入社。オーディオブックやボイスドラマ、Podcastなど、さまざまな音声コンテンツ制作を手掛ける。2022年12月にコンテンツクリエイターとしてVoicyへ入社。 マクドナルドが大好きで、てりやきマックバーガーがお気に入り。良い仕事ができたときに食べる自分へのご褒美にしている。

クリエイティブに対する定量評価を得られる環境で新たな挑戦を


Voicyへの入社のきっかけは?

前職では、今では世間に浸透してきたPodcastやオーディオブックなどの音声コンテンツが黎明期であるときから、それらのコンテンツ制作に携わってきました。クリエイティブエージェンシーであると、コンテンツに対してはおもしろい、おもしろくないという定性評価が多い中、プラットフォームであればコンテンツを配信した翌日に聴かれた時間や人数などの数字が見え、ユーザーの反応を元にPDCAを回すことができると考えていたため、自分のクリエイティブスキルをよりアップデートしたいと思い、音声プラットフォームへの転職を考えるようになりました。 その中でもVoicyでは聴取データを詳細に取っており、様々なデータをかなり細かい点まで自由に見られるということが選考過程でわかり、クリエイティブに対する定量評価を得られる環境として、とても魅力的だと感じました。
また採用ページを見たときに、社内の空気感もわかりやすく、プロダクトの方針も理解しやすかったのも自分としては魅力の1つでした。社員のインタビュー記事を読んだり、音声でのインタビューを聞いたりして、コンテンツ制作側とプロダクト開発側でお互いの意思疎通ができているんだというのも感じました。コミュニケーションにおけるチーム間の壁がある会社も多いですが、Voicyではチームを超えてコミュニケーションが取れる環境や、会社の仕組み作りを専門としたポディションのメンバーがいることもあってか、会社全体でプラットフォーム事業に挑んでいる姿勢に惹かれ、入社を決めました。

現在どんなお仕事をされていますか?

2023年7月にスタートしたばかりの「ボイスドラマ」というVoicyオリジナルのジャンルがあるのですが、そのコンテンツクリエイティブを全て担当しています。脚本・音響監督・編集・キャスティングに加えて、最近では収録も自分で行なっています。大学で映画を学んでいたので、そこで身につけた脚本・演出・プロデュースの技術が、音声コンテンツづくりでも生かされていますね。
ボイスドラマを作るときに意識していることは、登場人物の人数や、親子や男女などキャラクターの区別のしやすさから、リスナーが音声で物語を理解できるようにシンプルな原作を選んでいることです。脚本の段階から、Voicyの配信フォーマットに合わせた10話の構成にしているのですが、なるべく同じ尺数で、同じようなテンポ感で聴けるようにしています。

Voicyオリジナルブランドとして世の中に出す、プロフェッショナルとしての責任感


仕事のやりがいや大切にしていることは?

先述したように、漫画などの原作を、音声でも理解できる物語としてアップデートすることや、「配信される」だけではなく、「聴かれる」コンテンツを生み出すために、さまざまな知恵を絞ることにやりがいを感じます。 ボイスドラマでは、最後まで聴いてもらえるように様々な仕掛けをして、聴取データを見ながら効果の有無を確認しています。クリフハンガーと呼ばれる、続きが気になる展開でエピソードを締める仕掛けをしても、実際は次話があまり聴かれていないなんてこともあって。自己の感覚で起結せず、データでの振り返りをしながら、リスナーの感覚に自分の感覚を毎日チューニングしています。
作ってみて面白かったのが、個人的にはロジカルな起承転結がわかりやすい作品が多くのリスナーに面白がってもらえると思っていたのですが、蓋を開けてみると不倫ものやサスペンスなどのドロドロした、「転」「結」のない世界観の作品がよく聴かれているんですよね。理由についてはチームでもよくディスカッションしていますが、音声コンテンツは没入型、つまり自分も参加しているような感覚を持てるもの、かつ非現実的な世界であるものがウケていそうだなと。答えはまだ出ていないものの、引き続き、リスナーの求めるコンテンツを模索しているところです。 自己評価とリスナー評価の差分は、自身の学びや次回作のアイディアに繋がる重要な要素になっていますね。まだまだやってみないとわからないことも多く、様々なコンテンツを作り、配信し、PDCAを回し続ける必要があるなと痛感しています。
Voicyでボイスドラマを作り配信するという新しい挑戦は、リスナーにVoicyへの間口を広げる手段とも捉えていて、挑戦の意義の一つとして感じています。Voicyのオリジナル作品として誇れるコンテンツを世に出していくこと。他社のオーディオコンテンツと並べたときに、エンタメとして十分高いクオリティであること。現在クリエイティブの担当は自分一人だけなので、予算やリソース、配信スケジュールを言い訳にせず、自分の出力を毎日可能な限り上げていき、作品に対して、着手から配信後まで責任をしっかりと持つように意識しています。

入社してみて感じていることは?

新規事業としてボイスドラマを全てゼロから作っていけるプロセスはやはり面白いですね。作らざるを得ない状況からの始まりでしたが(笑)。 Voicyのボイスドラマというブランドを作っていくにあたって、いくつか社外リレーションもゼロから構築する必要があったのですが、2ヶ月でそれらを作り上げないといけないというスタートアップならではのスピード感も毎日刺激的でした。
音声を主にしている業界全体が感じていることだと思いますが、Voicyという音声プラットフォームに携わるようになり、音声コンテンツの難しさをさらに身をもって感じています。 音楽に追随する形で、国内の音声配信市場は右肩上がりではありますが、海外に比べると大きく遅れていますし、母数の違いはあれど、パーセンテージで比較しても思ったより伸びていないなと。Voicyで様々な聴取データを毎日見るようになったので、その感覚がより強くなりました。ただ、だからこそ未発見の価値を生み出すこの仕事の面白さが際立つのかなと思いますし、自分の作ったコンテンツをきっかけに、音声の魅力に気づく人が増えるのは大きなやりがいです。

“表現者”が活躍できる土壌を増やし、「人」が「人」を「声で演じる」コンテンツの良さを広げていきたい


Voicyで働く魅力はなんですか?

自社プロダクトの中で自社コンテンツを制作・配信出来る環境だからこそ、コンテンツ制作側にプロダクトが寄ったりその逆もあったりと、互いに歩み寄ることができ、新しい景色を見られるところが魅力だと思います。 制作会社さんに依頼する手もありますが、Voicyオリジナルは自社オフィスにあるスタジオを使い、社員が自ら手を動かして作っている。そのため、例えばVoicyのプロダクト上に音源をアップロードする際に音声がどう変換されているのかを直接エンジニアに聞き、編集段階と配信の段階で聴感上の差が生まれないよう(編集段階での良い聴き心地を配信時のエンコードで失わないよう)調整できたりするんです。ボイスドラマはVoicyで配信することを前提として作っているからこそ、プロダクトの仕様に合わせてリスナーの聴取環境にあまり左右されない、どの環境で聴いても一定のクオリティで聴けるものができていると思います。
逆にプロダクト側がコンテンツに寄せてくれることもあります。パーソナリティが配信している音声はモノラル(左右2つのスピーカーで同一の音が流れる仕組み)なのですが、ボイスドラマはステレオ(左右2つのスピーカーでそれぞれ独立した音が流れる仕組み)で流れるようにしてもらっていたり、そもそものビットレート(オーディオのデータ量)を変えていたりして、音質がかなり良くなっていたりします。そのおかげで、登場人物の声やBGMなどを純度高く用いた、臨場感のある演出が可能になりました。 作りたいコンテンツに合わせてプロダクトを改修してもらう体験自体が、つくり手としてはすごく希少だと思いますし、ありがたい環境だなと思います。

今後の目標や実現したいことは?

まずは、ボイスドラマという新しい体験を浸透させていくことですね。そのためにはヒットコンテンツをコンスタントに出していくことが必要だと思っています。前例のない挑戦なので既存コンテンツとの比較は難しいですが、個人的には漫画アプリなどのスマホで楽しめるエンタメコンテンツ全体をライバルだと思っています。それらと比較しても、「ヒットした」と言える作品を早く生み出したいですね。
また、最近は音声の物語で何がウケるのかがだんだんと見えてきたので、ゆくゆくはその要素を物語に盛り込み、完全オリジナルのボイスドラマを作ってみたいです。Voicyが原作を持ち、漫画化・映像化される可能性もあるのではないかなと思っています。映像を撮ることに比べたら、音声コンテンツは制作コストが少ないので、オリジナルコンテンツには挑戦しやすいですし、やっていくべきだと思っています。
世の中、多種多様なエンタメコンテンツで溢れていますが、声優さんなど「人」が「人」を演じ、発信する場所は減っているように見えます。だからこそ、「生身の人間が発信するものの良さ」をもっと分かってもらえたらいいなと思うんです。アニメは海外でも人気がありますが、それだけだと発信者の枠が限られていますよね。Voicyパーソナリティのように自分の考えを発信できたり、声優などのアーティストが活躍できたり、Voicyはそういった“表現者”がのびのびと活躍できる存在になれればと思っています。
 

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