スタートアップの社員のライフイベントとの向き合い方。産休育休を取得してみて。

こんにちは。Voicyカンパニークリエイターの “はる” こと高森はるなです。
まだ若い会社ではありますが、組織の成長に合わせ様々な制度の整備を行っているVoicy。 今回はそんなVoicyで2020年に初の「産休制度」取得があったので、前後の流れを関係者にインタビューしてみました!

初めての産休制度の利用申請!


2020年頭から本格的に組織開発や制度設計が始まったVoicy。 同時期に産休・育休規定も作成され制度導入はされていたものの、導入後産休取得の事例はない状態でした。
そんな中、同年夏にMediaチームの高沢より初めての産休取得希望があがったのです。
(高沢)当時少しずつ会社っぽくなってきたなとは思いつつ、産休取得は事例がなくて、私自身も制度を利用するとき実際にどうしたら良いのか、何も分かりませんでした。まずは妊娠を会社に報告して、そこから必要なことを準備していけばいいかな〜というくらいの温度感で人事に相談したら、お腹が目立ってくる頃には次々と情報提供があって驚きました。その後安心して出産を迎えることができ、本当に感謝しています。
高沢が「驚き」「安心」を感じたVoicyの社員のライフイベントへの向き合い方は、どのようなものだったのでしょうか。

とにかく妊婦さん目線で考え抜いた


高沢から最初に相談を受けたのは、人事責任者の勝村でした。
(勝村)正直「早速きたか〜!」と思いました(笑)。嫌とかではなく、制度を制定した時になんだかんだ数年はないだろうなぁと思っていたので、急いで準備しなきゃ!という感情でした。 とは言え本人のメンタル面を考えると安定期までは周知すべきではない情報です。経営メンバーや社員には伏せた状態で労務メンバーにだけ共有し、高沢が安心して取得・復帰できるように、制度を規定文書の状態からメンバー向けスライドに落とし、その後のフォローアップ体制を構築するよう一緒に準備をしました。人事制度は作って満足してしまいますが、社員が躓くことなく円滑に利用できる状態になって初めて意味を成すからです。 規定の堅い文章を分かりやすくスライド資料にするのはすぐに終わりましたが、人事チームとして大切にしている「常にアウトプットは感謝されるレベルではなく、驚かれるレベルにする」を体現するにはどうすればいいかは悩みました。 そこでまずは妊婦さんをとにかくイメージすることから始めてみました。「初産は楽しみより不安が大きそうだな。」「相談する相手がいなくて困りそうだな。」「ネットに情報が溢れているけど実際どれが自分に適応されるか分からなさそうだな。」などなど。考えると自然とそんな感情が湧いてきて、そんな気持ちに出来る限り応えられるような資料作成や人事対応をしようと思えました。

制度を伝えるのではなく手紙を書くイメージで


(勝村)方向性が決まったので、制度の再確認や助成金の洗い出しなどを念のため再度行いました。 その後資料にしていく過程では、「産休育休制度について」ではなく「ママになるあなたへ」というタイトルにして、制度を伝えるのではなく下記のような内容を手紙を書くイメージで資料にしていきました。
  • 妊娠が分かってから復帰するまでのタイムライン
  • 出産直後のTODOリスト(産前産後給付金や育児休業給付金手続きなど)
  • 出産手当金支給日額の早見表、給付金計算シート
  • 復帰後に利用できる制度一覧
  • 会社側の準備やサポートについて記した復帰前後プランシート
( ↑ 産休制度の資料内容)
(高沢)ネット情報が錯乱する中で、Voicyではどういったサポートがあるかが分かっただけでもありがたかったのですが、さらにその辺の書籍よりも詳しいレベルで様々な情報が載っていたので(笑)本当に助かりました。「制度を知る」というより「人事チームからの優しさに触れている」という感じがして、不安な気持ちも和らぎましたね。

産休前後は逆にスタートアップの柔軟性を活かす


もちろんガイドラインを渡せば終わりではありません。高沢が安心して産休に入りそして復帰してもらえるように、更にはそんな中でも組織としての生産性を落とさないようにする必要があります。
(勝村)組織としての生産性を維持しつつ、本人の体調を考慮した働き方について良いバランスを保つ必要があるので、労務として定期的な面談を行い健康状態・業務量・労働時間などを把握しました。本人の健康状態、要望に応じて働き方の見直しを検討することも考えていましたが、高沢の場合は目立った負担はなく安心して進めることができました。
産休や育休の手続きは書類も多いですし、企業側ではなく本人が対応しなくてはならないものも多いので、制度についての疑問や不安を解消しつつ今後のスケジュールの認識合わせも行いました。
(高沢)産休や育休の手続きは結構複雑で、期間が定められているものも多い。初の育児でそれだけでも手一杯なのに、様々な手続きを漏らさず行うのは不安がありましたが、必要な手続きの度に労務担当が連絡やサポートをしてくれるということでとても安心しました。また働き方に関しても、フレックスを上手く活用したり、どうしても体調が悪くなった場合はリモートワークに切り替えたりと、柔軟な対応ができたことがとても助かりました。
(勝村)スタートアップらしさを、こういったケースでも積極的にスタンスとして示したいと思っています。大手勤務の時は統制のためにも制度は普遍性を大切に設計していましたが、スタートアップは極論オーダーメイドでいいと考えています。今回のケースで言えばリモートワーク申請を高沢に関しては即日不問にしましたし、復帰時のポジションや勤務日数・労働時間も高沢の家庭状況や育児状態に合わせればいいと思っています。
Voicyには既に複数名のママさんがいますが、フルタイムor時短だけでなく、勤務時間まで全員雇用契約を変えています。スタートアップだからこそ、逆に社員1人1人に寄り添うことができると思うんですよね。
(高沢)妊娠中や出産後に働くのは、周りの理解がないと大変だと思うんです。その点Voicyはお子さんのいるメンバーが多く、上司もその一人だったので妊娠中の働き方についての相談がしやすく、調整も快くしてくれました。 勝村から出たような、出産後の会社としての柔軟なスタンスも強い安心感に繋がりましたし、社内のパパとママが集まる部活動で先輩に相談できたのも心強かったですね。

戻ってこれる場所があり、安心でした。


(高沢)妊娠がわかってから産休育休を含めて今後の相談をしてみて、「ここに戻ってきていいんだ。」と感じることができてとても安心しました。スタートアップで制度も事例もなかったところから、全てを準備してくれた会社や協力してくれたメンバーに感謝しています。 産休取得までとてもスムーズで、制度利用のしやすさはもちろん、同じチームメンバーのおかげで業務に関しても全て手離れした状態で休暇に入れたので負担はありませんでした。
産前産後1ヶ月は、身体的にも精神的にも全く余裕がなかったのですが、最近は生活リズムも落ち着いてきて、少しずつ声の社内報や社内メンバーが発信しているVoicyのチャンネルを聴いています。また休暇中もSlackの雑談チャンネルは閲覧できるので、そこからリリースなどの会社が盛り上がっている情報をキャッチアップするようにしています。
みんなが楽しそうに仕事をしたり、知らぬ間に新しいことが始まっていたり、いろんなことが進捗している様子が伝わってくるので、早く復帰したい気持ちになりますね!
かおりんさん、改めてご出産おめでとうございます!
Voicyはスタートアップという規模を逆手にとって、one to one で社員のライフイベントに向き合っていました。 今回は産休制度について話を聞きましたが、また育休制度や時短勤務についてもご紹介していきます。

2023年3月、嬉しい追記


高沢は2021年2月に、無事に元気な女児を出産し、2022年4月に復職しました。 復職に際しての葛藤は、是非彼女が自身で書いた記事を読んでみてください。
復帰後フルタイムで活躍をしてくれていた高沢ですが、同年第二子を妊娠。 2023年3月より2回目の産休に入っています!
高沢がVoicyとしては初の制度利用となりましたが、その後男性社員2名が育児休暇を取得し、5月からはさらに1名が取得予定です。
この間にママさん社員は3名に増え、産休育休取得率だけでなく男性育休取得率も100%に。 子育てと両立して働いている社員は全体の25%にまでなりました。 変化の激しいスタートアップですが、その柔軟性をうまく活用して、現在全員がフルタイムで働いてます。
こういった嬉しい追記ができるのは、いい仲間といい組織状態で働けている証拠だと思うので、とても嬉しい気分になりますね! 継続して嬉しい追記が書けるように one to one で社員のライフイベントに向き合っていきます!
 

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